法人、個人事業者 各位 殿

このたび、TKC全国会に入会したしました。

創業100年以上の会社は、全国約2万2千社で、全国の法人数260万社と比較すると0.84%しかありません。この数字からいかに永く企業を存続させることが難しいことかご理解いただけるものと思います。

企業経営は、常に順風満帆とは限りません。

近年におきましては、かつて遭遇したことのない危機状況が突然襲ってきました。このような危機的状況(リスク)を回避できる企業体質の日頃からの強化が企業存続のために必要であることを痛感させられます。

得てして企業は、会社の利益が黒字と予測されると利益相当額を経費として使用してしまうことが多く見受けられます。本当に必要なものであればよいのですが。

例えば法人が決算時に100万円の所得が予想された場合の税金はどのくらいかかかるのでしょうか?

具体的な計算

法人税180,000円、法人県民税均等割額20,000円、法人県民税法人税割額9,000円、法人事業税27,000円、法人地方特別税21,800円、法人市民税法人均等割額60,000円、法人市民税法人税割額26,400円


合計344,200円の税金が発生します

(法人税率18%で計算、会社所在地の県市長村で多少税額が異なります)

上記100万円の所得が予想されるケースで100万円の経費を発生させると原則所得は、0円となり法人県民税均等割額20,000円、法人市民税法人均等割額60,000円となり、合計80,000円の納税となります。

では、このケースで100万円の現金が手元にあった場合を想定して考えてみましょう。

例1

100万円の所得に対して税金を344,200円納税する場合を考えてみます。

このケースでは、所得100万円の黒字の会社となり、現金で納税した場合
1,000,000円-344,200円=655,800円 (655,800円の現金が手元に残ります。)

例2

100万円の経費をかけ所得をゼロにした場合を考えて見ます。

1,000,000円-1,000,000円(経費で使用)-80,000円=-80,000円(現金を補充)

このケースでは、黒字の会社で税金を納税した場合に比べて、
655,800円+80,000円=735,800円の現金を失うことになります。

同じことを10年間繰り返していると、
735,800円×10年=7,358,000円の現金が失われます。

例1では655,800円×10年=6,558,000円の現金が残ります。

例1の会社と例2の会社では、10年後の財務体質に大きな違いが生じます。

税金は少しでも少ないほうがいいと思われるのは無理もありませんが、儲けた所得全額にかかるものではありません。

創業100年以上の会社や上場会社はすべて例1のケースで内部留保を厚くし、危機的状況にもこの内部留保で逃れ、成長しております。この内部留保を厚くしていくことこそ、永続的に企業を存続させることに一番必要なことなのです。

当事務所では、TKC全国会に入会し、経営分析や中長期経営計画等を取り入れながら顧問先を黒字体質の会社し、内部留保を厚くできるよう企業経営者の皆様とともに成長していきたいと願っております。

平成23年8月吉日TKC全国会 TaxHouse前橋南店 毛見会計事務所 
所長 毛見 広明
税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー(AFP)

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